映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第41弾の今回も、前回に引き続き映画監督が愛用する腕時計【PART.3】をお送りします。

【PART.1】ではロレックスを、【PART.2】ではそれ以外のブランドを愛用している映画監督をご紹介いたしましたが、更に深堀りしてみたところ、ロレックス以外の腕時計を愛用している監督がまだまだ多くいることが判明。そのようなわけで【PART.3】の今回も、ロレックス以外のブランドを愛用している映画監督をご紹介して参ります。

ベン・ステイラー監督

■代表作

『リアリティ・バイツ』(1994)
『ケーブルガイ』(1996)
『ズーランダー』(2001)
『トロピック・サンダー』(2008)

夜になると展示物が動き出す不思議な博物館で巻き起こる騒動を描いた『ナイトミュージアム』(2006)。主役の夜間警備員を演じた人気俳優、ベン・ステイラーには映画監督の顔もあることをご存知でしょうか?1990年代の2作は監督・主演を兼任、2000年以降は、全ての監督作で製作・監督・主演を兼任。製作資金も全て自分で賄っている為、誰にも指図されることなく、エッジの効いたブラックコメディを自由気ままに作り続けています。

*出典元:https://3d-car-shows.com/

そんなベン・ステイラー監督が愛用するのは、パネライ ルミノール 10デイズ GMT チェラミカ(Ref.PAM00335)。オールマットブラックのセラミックケースは非常に個性的かつスタイリッシュ。彼がカリスマファッションモデルを演じ爆笑をさらった『ズーランダー』必殺のキメ顔「ブルー・スティール」との相性も抜群と思われます。

*出典元:https://jakartaglobe.id/

■イチ推し作品『トロピック・サンダー』(2008)

ベトナム戦争を描くアクション映画『トロピックサンダー』の出演俳優と撮影スタッフたち。わがままな俳優のせいで製作費が底をつき、ヤケクソになった監督は東南アジアのジャングルで撮影を行なおうとするが、そこは本物の戦争が行われているマジの戦場だった!

『プライベート・ライアン』(1998)や『ランボー』(1982)といった戦争映画のパロディが満載の本作で、ベン・ステイラーは監督・主演を兼任。人気を取り戻そうと奮闘する落ち目の俳優を演じています。また『アイアンマン』(2008)でおなじみロバート・ダウニーJrが「黒人兵を演じるため、整形手術で黒人になった演技派俳優」を演じています。そんな奴おらんやろ。

*出典元:https://www.primevideo.com/

ちなみにこの映画では、皆さんよくご存知の「あの」超人気俳優がパネライ ルミノールGMT(Ref.PAM00063)と思われる腕時計を着けて登場します。その画像がこちら!さすが大スター、逞しい腕にパネライの44mmケースがよく似合っております(この俳優の正体は最後にお伝えいたしましょう)。

*出典元:http://reeftiger.blogspot.com/

ギレルモ・デル・トロ監督

■代表作

『ヘルボーイ』(2004)
『パンズ・ラビリンス』(2006)
『パシフィック・リム』(2013)
『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)

1993年の監督デビュー作、錬金術師が作った永遠の命をもたらす機械生物を描いた『クロノス』から、現時点での最新作『シェイプ・オブ・ウォーター』に至るまで、一貫して怪物映画を撮り続ける「モンスター愛」に溢れたギレルモ・デル・トロ監督。

前回採り上げたジェームズ・ガン監督同様、子供の頃からウルトラマンなど日本の特撮作品を浴びるように見て育ったデル・トロ監督にとって、モンスターはただの悪役ではありません。人間に育てられた悪魔がナチスの残党と戦う『ヘルボーイ』や、知性ある半魚人と人間の女性の間に芽生えた愛を描き、モンスター映画として初めてアカデミー作品賞の栄冠に輝いた『シェイプ・オブ・ウォーター』をはじめ、全ての作品に「愛すべき怪物たち」が登場するのがデル・トロ監督作の最大の特徴です。

*出典元:https://forum.tz-uk.com/

モンスター大好きデル・トロ監督のお気に入りの腕時計はモンブラン マイスターシュテュック スポーツ クロノグラフ(Ref.7034)。万年筆ブランドとしても知られるモンブランの高級万年筆「マイスターシュテュック」の名を冠した、大きく厚みのある腕時計です。

そういえば、デル・トロ監督作のゴシックホラー『クリムゾン・ピーク』(2015年)には小道具として万年筆が登場します。監督が万年筆マニアで、もしや腕時計もモンブランを選んだのでは…などと妄想をしてしまいます。

■イチ推し作品『パシフィック・リム』(2013)

海溝に開くワームホールから次々と現れては人類に襲い掛かる巨大怪獣と、その怪獣を倒すため、人類の英知を結集して作られた巨大な人型マシン「イエーガー」の戦いを描く、巨大ロボット映画『パシフィック・リム』。日本の特撮界が得意とする「怪獣vs巨大ロボット」の戦いを、怪獣もロボットも大好きなデル・トロ監督が満を持してハリウッド映画化しました!

エンパイアステートビルのアールデコ意匠をデザインの参考にしたと言われる主役ロボット、「ジプシー・デンジャー」の重量感溢れる動きは、特撮好きには感涙モノの仕上がりです。主役の日本人イエーガー操縦士、森マコ役を演じる菊地凛子さんと、その幼少期を演じる芦田愛菜さんの演技も最高です。

*出典元:https://news.tokunation.com/

セルジオ・レオーネ監督

■代表作

『荒野の用心棒』(1964)
『夕陽のガンマン』(1965)
『ウエスタン』(1968)
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』(1984)

1960年代、当時はテレビドラマ俳優だったクリント・イーストウッドを主役に抜擢したイタリア製の西部劇、通称「マカロニ・ウェスタン」を世界的に大ヒットさせたことで知られるセルジオ・レオーネ監督。男臭さとスタイリッシュさを兼ね備えた独特の映像美と暴力描写により、クエンティン・タランティーノジョン・ウーロバート・ロドリゲスなど、後進の人気映画監督たちに多大な影響を与えた、まさにアクション映画界の「重鎮」「御大」と呼ぶべきパイオニアです。

*出典元:https://collectability.com/

そんなレオーネ監督が着けていたのは、パテックフィリップ ノーチラス。監督は1989年に亡くなられていますので、おそらく「3700/1系」「3800/1系」のいずれかと思われます。いずれにしろ「御大」「大御所」「重鎮」と呼ばれる映画監督に相応しい、堂々としたこの着けっぷり。憧れしかございません。

■イチ推し作品『夕陽のガンマン』(1965)

レオーネ監督のオススメ作は『夕陽のガンマン』黒澤明監督作『用心棒』(1961)の未認可リメイクとして作られた『荒野の用心棒』(1964)に続く、レオーネ監督&イーストウッド主演の「ドル3部作」の2作目に当たります。『用心棒』で三船敏郎が演じた浪人と同じく、無口だが凄腕の流れ者「名無し」を演じたイーストウッドは「ドル3部作」で世界的な人気を博し、一躍ハリウッドのトップスターに上り詰めます。

*出典元:https://ja.wikipedia.org/

役者の顔のアップと遠景を巧みに使い分ける画面構成、緩急をつけたシーンの切り替え、リアリズム溢れる暴力描写は、レオーネ監督の真骨頂。そこに描かれるのは仲間でもあり、ライバルでもある男同士の友情と復讐、ストイックなプロフェッショナル魂。アメリカ製の西部劇とハードボイルドが出逢って生まれた男のための映画「マカロニウェスタン」の最高傑作を是非ともご覧ください。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
ベン・ステイラー監督、ギレルモ・デル・トロ監督、セルジオ・レオーネ監督、3人ともその作品に相応しい個性の感じられる腕時計だったのではないでしょうか。個性が腕時計を選ばせるのか、腕時計が個性を際立たせるのか、それともその両方なのか、それなりに長く時計屋をやっていてもいまだに判らないというのが実際のところ。しかしいずれにしろ「時計がその人の個性をあらわす」ことに間違いはありません。

さて、ベン・ステイラー監督の『トロピックサンダー』に登場したパネライ着用のオッサンの正体ですが、正解はこちら、トム・クルーズでした!『トロピックサンダー』のエンディングでは、トム・クルーズがこのメイク&スタイルで素敵なダンスを披露してくれますので、是非ともお見逃しなく!

*出典元:https://www.iwmbuzz.com/

ではまた!

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