映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第29弾の今回は、キアヌ・リーヴスの腕時計に注目していきましょう。

*出典元:https://www.cheatsheet.com/

『スピード』『マトリックス』『ジョン・ウィック』など、数々のハリウッド大作で主役を張り、スタイリッシュで激しいアクションを演じ続けてきたスター俳優、キアヌ・リーヴス。しかしその正体は、車の故障で困っている赤の他人を自分の愛車で家まで送ってあげたり、地下鉄を利用した際には女性に席を譲ってあげたり、道端でホームレスとお菓子を分け合いながら仲良く談笑したりなど、偉ぶることのない気さくな姿が何度も目撃されている「いい人」としても有名です。

*出典元:https://daily.lessonslearnedinlife.com/

そんな心優しきナイスガイ、キアヌ・リーヴスが劇中で着けているのはどのような腕時計なのか、さっそく見て参りましょう。

スピード


SPEED(1994)

警察に恨みを持つ爆弾魔と、命知らずのSWAT隊員の戦いを描く大ヒット作『スピード』は、キアヌ・リーヴスの名を世に広めた、彼の出世作と言っていいでしょう。

速度が時速80km以下になると爆発する爆弾が仕掛けられた一台のバス。乗客を救出するためバスに乗り込んだSWAT隊員ジャック(キアヌ・リーヴス)と爆弾魔(デニス・ホッパー)の、スピード感溢れる頭脳戦が繰り広げられます。

*出典元:https://www.denofgeek.com/

この映画で彼が着用しているのはカシオ G-SHOCK DW-5600C-1V。実際に彼がプライベートで愛用していた私物だそうです。ゴッツいシルエットの多いG-SHOCKの中では、比較的小ぶりな初期の角型モデルとして人気の一本。スーツにもギリギリ合わせられなくもない、落ち着いた雰囲気を漂わせるG-SHOCKです。

*出典元:https://watchcharts.com/

ちなみにこの時計、『スピード』の大ヒットと共に人気が爆発。G-SHOCKファンの間では、今でも『スピードモデル』と呼ばれ、愛され続けています。

コンスタンティン


CONSTANTINE(2005)

余命いくばくもない悪魔祓い師、ジョン・コンスタンティンが、ひとりの女性の自殺をきっかけに天使と悪魔の闘いに巻き込まれていく、スタイリッシュなオカルトファンタジーアクション映画『コンスタンティン』。

*出典元:https://screenrant.com/

肺がんに冒されてもタバコが手放せず、病んだ顔で十字架型のショットガンをぶっ放して悪魔を祓っていくダークヒーロー ジョン・コンスタンティンを演じるのは、もちろんキアヌ・リーヴス。ハードボイルドの世界に天使と悪魔が迷い込んできたかのような、独特の世界観に魅了される人が後を絶たない、人気のカルト映画と言える一作です。

この映画の劇中でジョン・コンスタンティンが着けている時計は、革ベルトのシンプルな三針時計、オリス クラシックモダン(Ref.7484)。映画のラスト近く、この先の物語を暗示するように時計が大写しになる、とても印象的なシーンがありますので、是非ともお見逃しなく。

*出典元:https://famewatcher.com/

この時計は定価5万円ほどのエントリーモデルですが、この映画のファンがこぞって買い求めた結果、現在では入手困難に。中古市場では10万円前後のプレミア価格で取引されることが多くなっています。

フェイクシティ ある男のルール


STREET KINGS(2008)

囮捜査や犯人の射殺など、どんな汚い手を使ってでも事件を解決するロス市警の風紀取締官、トム(キアヌ・リーヴス)。手段を選ばないトムのおかげで捜査班は成績も良く、班長もトムの流儀を認めているが、元同僚が殺された事件を捜査していくうち、彼は警察署内にはびこる汚職と陰謀に巻き込まれていく。

*出典元:https://voicefromthepillowreviews.blogspot.com/

正義の為なら手段を選ばない刑事、トムの腕に着けられているのは、ロレックス GMTマスター。写真では青か黒かベゼルの色が判然としませんが、黒赤ベゼルの「コーク」ではないかと言われています。

*出典元:https://static01.nyt.com/

『マトリックス』のネオ役を始め、クールなキャラクターを演じることが多いキアヌ・リーヴスですが、この映画では珍しく、正義感が暴走する熱い刑事を演じています。個性的なツートンベゼルのGMTが「暴力と正義」という二面性や、一筋縄ではいかない異端の刑事像を上手く演出しているように思えます。

ブルー・ダイヤモンド


SIBERIA(2018)

取引のためにロシアを訪れた宝石商(キアヌ・リーヴス)が、希少なブルー・ダイヤモンド強奪の罠に陥っていく…。この映画でキアヌ・リーヴスは、いかにも宝石商らしくブルガリのオクトを着用しています。

*出典元:https://productplacementblog.com/

実は私、この映画は未見なのですが、シャープさとエレガントさを兼ね備えたブルガリのオクトは、まさに彼のイメージにピッタリの時計ではないかと思います。

しかし「オクトを着けて演技するキアヌ・リーヴス」の姿は見てみたいのですが、映画のレビューを読む限り、、、観ようかどうしようか悩み中でございます。どなたか私の背中を押してください。(笑)

ジョン・ウィック


John Wick(2015)

キアヌとは旧知の間柄、『マトリックス』など数々の映画でスタントやスタントコーディネーターを手がけたチャド・スタエルスキ監督が贈るアクション大作『ジョン・ウィック』。
裏社会を引退し、静かな生活を送っていた殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)が、自分の大切なものを奪ったロシアンマフィアに復讐するため、裏社会に戻ることを決意する。

*出典元:https://douglasernst.blog/

ガンアクションとカンフーなどの格闘技、時代劇の殺陣などをミックスした「ガンフー」と呼ばれる肉体派ガンアクションが最大の特徴で、多くのシーンで彼自身がノースタントの華麗なアクションを披露しています。

「一本の鉛筆で3人を殺した」と言われる伝説の殺し屋ジョン・ウィック。彼は『ジョン・ウィック』『ジョン・ウィック2』『ジョン・ウィック3:パラベラム』のシリーズ3作を通して同じ一本の時計を身に着けています。その時計とは、カール・F・ブヘラのマネロ オートデイト(Ref.00.10908.08.13.01)

*出典元:https://www.carl-f-bucherer.com/

クサビ形インデックスを備えたシルバー文字盤に、黒い革ベルトという、60年代を感じさせるクラシカルなデザインのこの時計は、常に黒いスーツを身にまとっているジョン・ウィックの「シンプルさ」を追求するポリシーを体現しているようにも思われます。

*出典元:https://bestwatchbrandshq.com/

面白いのはその着用スタイル。ジョン・ウィックは文字盤を手の甲側ではなく、常に手の平側に向けて着用しています。敵との格闘も多いであろう殺し屋稼業。攻撃を受けやすい手の甲側に時計を向けたら破損する可能性は高そうです。それを避けるために手の平側に向けているのではないかと私は推測しますが、皆様はどうお考えになりますでしょうか?

まとめ

「デイトナ ポールニューマン」や「サブマリーナー ジェームズ・ボンド」をはじめ、スター俳優の名や映画のタイトルと紐づく時計は数多くありますが、『スピード』のG-SHOCK、『コンスタンティン』のオリス、『ジョン・ウィック』のカール・F・ブヘラ、とデジタルウォッチからエントリーモデル、高級時計まで、出演作品と紐づけられる時計がこれだけ幅広く複数に渡る俳優は、キアヌ・リーヴスをおいて他におりません。

ハリウッドセレブからホームレスまで、誰とでも分け隔てなく付き合えるキアヌ・リーヴスの「いい人」としての性格が、時計との関係にも現れているように見えるのは、私だけでしょうか?

*出典元:https://heroichollywood.com/

ところで、キアヌ・リーヴスの代表作といえば『マトリックス』シリーズを思い浮かべる人も多いと思います。しかしながら残念なことに『マトリックス』シリーズの劇中において、彼は「これ」といった時計を着用することはありませんでした。

2021年末に公開が予定されている18年ぶりのシリーズ最新作『マトリックス4』ですが、果たしてこの作品でも、彼が演じるネオは相変わらず時計を身に着けていないのか、それとも高級時計を身に着けた「大人のネオ」となるのか、今から楽しみで仕方ありません。皆様もネオの腕元にぜひご注目ください。

ではまた!

Actor's watch