*出典元:https://www.rferl.org/

 

1998年に、イギリスのテレビ番組で演じた「ブラックカルチャーにかぶれた白人ラッパー」キャラが大ブレイクし、そのキャラを主役にしたコメディ映画『アリ・G』(2002)も大ヒット。英国アカデミー賞最優秀コメディアン賞を受賞し、一躍コメディスターの仲間入りを果たしたサシャ・バロン・コーエン。

2000年代に入ると、彼は「空気の読めないド田舎生まれのカザフスタン人ジャーナリスト」という設定のキャラ、「ボラット氏」を生み出します。訪米したボラット氏がアメリカ文化を学ぶ偽ドキュメンタリー映画『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』(2006)を自ら製作。こちらも全米No.1ヒットの座に輝き、彼は「不謹慎」「お下劣」なコメディ映画界のNo.1スターとしての座を確立します。

映画やテレビなどで活躍する映画人の腕時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。第204弾の今回は、サシャ・バロン・コーエンが着用した腕時計をご紹介して参ります。

 

 

オメガ

スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル
【Ref.310.30.42.50.01.001】

*出典元:https://www.dmarge.com/

 

2021年5月、オーストラリアのシドニーでパパラッチされたのは、サシャ・バロン・コーエンと妻のアイラ・フィッシャーの仲睦まじい姿。パナマ帽にネイビーのポロシャツというマリンスタイルに彼が合わせた腕時計は、オメガ スピードマスター ムーンウォッチ プロフェッショナル(Ref.310.30.42.50.01.001)。

ステップダイヤルやドットオーバー90のヴィンテージ感あるデザインはそのままに、コーアクシャル機構や高耐磁性能を備えてアップデートされた、2021年版のスピードマスター プロフェッショナル。スピードマスターの中でも、ヴィンテージ好きな愛好家が選ぶ一本だけに、彼もまた、スターコメディアンに相応しい腕時計趣味の持ち主なのかもしれません。

 

コンステレーション【Ref.131.50.39.20.02.001】

*出典元:https://www.revistagq.com/

 

続いては2021年のアカデミー授賞式からのヒトコマ。ブラウンのタキシードについたホコリを取ってもらっているサシャ・バロン・コーエン。その腕元には、タキシードの色に合わせた、ピンクゴールドのオメガ コンスレテーション(Ref.131.50.39.20.02.001)が覗いています。

60年代に反ベトナム戦争デモの最中に起きた暴動を巡る裁判劇『シカゴ7裁判』(2020)で、フラワーパワー運動を主導した政治活動家のアビー・ホフマン役を演じてアカデミー助演男優賞にノミネートされたサシャ・バロン・コーエン。惜しくも受賞は逃しましたが、この作品での演技により、「不謹慎」「お下劣」だけではない、本格派俳優としての力量がハリウッドに認められたと言えるでしょう。

 

 

カルティエ

パシャ【Ref.2726】

*出典元:https://blogs.vanitatis.elconfidencial.com/

 

北アフリカの独裁者アラジーン将軍が、訪米先のニューヨークで何者かに拉致され、身分が証明できない難民同然の立場にさせられてしまう政治コメディ『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』(2012)。アラジーン将軍を演じたサシャ・バロン・コーエンが劇中で身に着けていた腕時計は、カルティエ パシャ(Ref.2726)と思われます。

「アラジーン将軍のモデルは、リビアの独裁者だったカダフィ大佐」と語るサシャ・バロン・コーエン。当のカダフィ大佐はロレックスのデイトジャストを愛用していたそうですが、それに比べると、アラジーン将軍はエレガントでドレッシーな腕時計がお好みのようです。

 

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

劇中で着用したカルティエのパシャは別として、他はいずれもオメガの腕時計。オフタイムにはスピードマスター、アカデミー授賞式にはコンステレーションと、TPOに合わせてオメガの腕時計を使い分けているようです。

 

*出典元:https://www.jpost.com/

 

近年は『ヒューゴの不思議な発明』(2011)や『レ・ミゼラブル』(2012)など、巨匠監督の作品でシリアスな立ち振る舞いを見せ、演技派俳優として評価が高まっていたサシャ・バロン・コーエン。このまま本格派俳優として生きていくのかと思いきや、彼はやってくれます。

2020年、彼は『続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画』を製作。14年ぶりに復活したボラット氏は、とてもここには書けないような不謹慎&お下劣な行動を繰り返し、撮影中にマジで警察に通報されるなどの事件を起こしながらも、映画は無事に完成。コロナ禍の最中にアマゾン・プライムビデオで配信されると、初週に数千万人に視聴されて大ヒットを記録しました。

どんなに俳優として売れても、自分のベースとなる「不謹慎」「お下劣」なコメディ精神を決して忘れないサシャ・バロン・コーエン。いつでも男はこうありたいものです。

ではまた!

Actor's watch