俳優として無名だった1992年頃に、幼馴染のベン・アフレックと共に書き上げた脚本が『グッド・ウィル・ハンティング』(1997)として映画化され、アカデミー主演男優賞ノミネート&脚本賞受賞の栄冠に輝いたマット・デイモン。
以降、数々のハリウッド大作で主演を務め、いまや押しも押されぬハリウッドスターとして活躍を続けている事は、皆様ご存知の通りです。
映画やテレビなどで活躍する俳優の腕時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第191弾の今回は、そんなマット・デイモンの愛用時計をご紹介して参ります。
ロレックス
エクスプローラー【Ref.1016】
1970年から開催されているポーカーの世界大会「ワールドシリーズ・オブ・ポーカー」。2019年には日本人プレイヤーの池内一樹氏が準優勝し、16万円の参加費で賞金9000万円を獲得して話題になりました。その2007年大会に親友ベン・アフレックと共に参加したマット・デイモン。その時に彼が着用していた腕時計は、ロレックス エクスプローラー(Ref.1016)でした。
腕時計の文字盤に「ポーカーフェイス」が存在するなら、無駄な装飾を徹底的に排し、シンプルな美しさや強さを追求した、何事にも動じない冒険者の為の腕時計、エクスプローラーをその筆頭に上げる人も多いのではないでしょうか。
主演映画『ラウンダーズ』(1998)では、ポーカーで生計を立てるプロギャンブラー(ラウンダー)を演じたマット・デイモン。もしかしたら、役を演じるにあたり、ラウンダーに相応しい服装や腕時計、靴などをリサーチした結果が反映されているのかもしれません。
タグホイヤー
リンク クロノグラフ【Ref.CT1111.BA0550】
2009年のヴェネチア映画祭。1990年代に実際に起きた企業犯罪を描く主演作『インフォーマント!』(2009)のプレミア上映に駆け付けたマット・デイモン。集まった記者たちの前で彼が着用していた腕時計は、タグホイヤー リンク クロノグラフ(Ref.CT1111.BA0550)と思われます。
実はこの腕時計、彼の当たり役となったジェイソン・ボーン・シリーズの第一作、『ボーン・アイデンティティ』(2002)でも着用していたもの。もともと愛用していた私物の腕時計を劇中でも着用したのか、それとも、撮影時に着用して気に入ったのかはわかりませんが、いずれにしろ、彼がこの腕時計を非常に気に入っている事は間違いないでしょう。腕に負荷をかけないよう、人体工学に基づいてデザインされた個性的なブレスレットが特徴のリンクは、着け心地が非常に良いことで知られています。
ヴァンクリーフ&アーペル
ミッドナイト プラネタリウム【Ref.VCARO4J000】
火星に取り残された宇宙飛行士のサバイバルを描くSF映画、『オデッセイ』(2015)でアカデミー主演男優賞にノミネートされたマット・デイモン。惜しくも受賞は逃しましたが、この時、タキシードに身を包んだ彼が授賞式で着用していた腕時計が、時計好きの間で大きな話題となりました。
その腕時計は、ヴァンクリーフ&アーペル ミッドナイトプラネタリウム(Ref.VCARO4J000)。アベンチュリン文字盤の中央に置かれた太陽の周りを、水星、金星、地球、火星、木星、土星の各惑星を模した天然石が、実際の惑星と同じ周期で公転するという、太陽系の運航を文字盤上に表現したコンプリケーションモデルです。
火星を舞台にしたSF映画でアカデミー賞にノミネートされたことを、火星をはじめとする惑星の運航を表示する腕時計で表現するという、遊び心に溢れたチョイスとなっています。
ピアジェ
アンディーウォーホル【Ref.G0A42236】
ニューヨークのメトロポリタン美術館で毎年開催されるファッションの祭典「メットガラ」。イギリスのSF作家、J・G・バラードの小説『時間の庭(The Garden of Time)』をテーマ&ドレスコードに定めた今年の「メットガラ2024」には、テーマに合わせて「過去と未来」「自然とテクノロジー」「物質と反物質」など、相反する要素をぶつけ合うスタイリングに身を包んだ多くのセレブたちが招待されました。
タキシードに身を包み、妻のルシアナ・デイモンをエスコートして「メットガラ2024」に登場したマット・デイモン。写真では袖に隠れてよく見えませんが、この時に彼が着用していた腕時計は、かの現代アートの寵児が愛用していた腕時計の復刻モデル、ピアジェ アンディーウォーホル(Ref.G0A42236)でした。
バラードとウォーホルは、小説家と現代芸術家として、双方共に影響を与え合っていたと言われる二人。クラシカルなタキシードに、現代アーティストであるウォーホルが愛した時計を合わせたスタイリングは、まさにバラードの『時間の庭』そのものを表現したと言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ハリウッドの映画製作者や、日本のプレス関係者らも声を揃えて「とても良い人」と呼ぶマット・デイモン。映画の撮影で滞在した土地で、たまたま飲みに入ったバーの女性バーテンダーと意気投合して付き合い始めたのが現在の妻だったりするなど、彼にまつわる様々エピソードからは、飾らない人柄が見え隠れしています。
そんなマット・デイモンの気になる次回作は、幼馴染の親友ベン・アフレックとの共演となる『R.I.P(原題)』という作品とのこと。マット・デイモンとベン・アフレックが共同設立した製作会社がプロデュースする本作は、個人的に期待している作品のひとつ。
内容の詳細はまだ不明ですが、私の大好きな『NARC ナーク』(2002)、『スモーキン・エース/暗殺者がいっぱい』(2006)、『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』(2010)などのサスペンス&アクション映画で知られるジョン・カーナハンが監督を務める予定なので、私の趣味にドンピシャの映画になることは間違いないと言っていいでしょう。日本でもちゃんと公開してね!
ではまた!