*出典元:https://thenycjournal.com/
映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第156弾の今回は、ブラッド・ピットがプライベートで愛用する腕時計にフォーカスしてみたいと思います。
『セブン』(1995)や『オーシャンズ11』(2001)など、数々の大ヒット作への出演で知られ、日本の映画ファンからは「ブラピ」の愛称で親しまれているハリウッドのトップスター、ブラッド・ピット。もうこれ以上の説明は不要ですよね?
当コラムでは、彼が映画の中で着用した腕時計を過去にもご紹介しましたが、プライベートで愛用している腕時計も、これまた魅力的なモデルばかり。今回は、そんなブラッド・ピットの愛機をご紹介して参ります。
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ロレックス
デイデイトⅡ【Ref.218238】
*出典元:https:///www.rolexmagazine.com/
まずはロレックスから。2009年にスイスのアートギャラリーを訪れた際にブラッド・ピットが着用していた腕時計は、18KYG(イエローゴールド)にブラックアラビア文字盤をセットしたロレックス デイデイトⅡ(Ref.218238)と思われます。金縁のサングラスに合わせたスタイリングが実にオシャレ。
セレブと言えばロレックス。ブラッド・ピットも例に洩れず、当然のごとく愛用しております。しかし意外にも、デイトナなどのプロフェッショナルモデルをプライベートで着用することは無いらしく、それらを着用した写真を見つける事はできませんでした。ロレックスに関しては、ドレッシーなモデルが彼の好みなのかもしれません。
パネライ
ラジオミール ブラックシール【Ref.PAM00292】
*出典元:https://www.paneraimagazine.com/
続いては、シルヴェスター・スタローンやジェイソン・ステイサムなど、ハリウッドにも愛好家が多いコチラの一本。パネライ ラジオミール ブラックシール チェラミカ(Ref.PAM00292)と思われます。
アクション映画にも数多く主演しているブラッド・ピットの鍛え上げられた腕に、45mmの大型ケースは抜群の存在感。軍用パネライらしさ溢れるユニタスベースのムーブメント「キャリバーOP XI」を搭載し、イタリア海軍特殊潜水部隊「ブラックシール」の名を持つラジオミールを選ぶあたりには、彼の「腕時計の歴史」への拘りが見て取れます。
ヴァシュロンコンスタンタン
ヒストリーク222【Ref.4200H/222J-B935】
*出典元:https://robbreport.com/
続きましては、ヴァシュロンコンスタンタン ヒストリーク 222(Ref.4200H/222J-B935)。
オーデマピゲ ロイヤルオーク(1972年)、パテックフィリップ ノーチラス(1976年)に続き、1977年に発表されたヴァシュロンコンスタンタンのラグスポモデル「222」を復刻した、2022年発売の歴史的な一本です。
1755年から一度も休眠することなく続いてきたメゾンの歴史における、大きな節目としての意味を持つ腕時計「222」。それを抜け目なく入手しているのは流石と言えるでしょう。こちらも前述のパネライ ラジオミールと同じく、ブラッド・ピットの「腕時計の歴史愛」が感じられるチョイスです。
*出典元:https://www.gq.com/
そしてコチラが1977年に発表された「222」のオリジナルモデル(Ref.46003)。
結局どっちも持っとんのかい!
ブライトリング
プレミエ B01 クロノグラフ 42 ノートン【Ref.AB0118A21B1A1】
*出典元:https://iflwatches.com/
2019年からブライトリングのアンバサダーを務めるブラッド・ピット。主演映画『ブレット・トレイン』(2022)でも、ブライトリングの1950年代のクロノグラフを復刻したモデルを着用し、愛好家の間で話題となりました。
☞ #81【話題の新作映画】『ブレット・トレイン』に登場する腕時計 を読む
そんな彼がプライベートで愛用しているのは、ブライトリング プレミエ B01 クロノグラフ 42 ノートン(Ref.AB0118A21B1A1)。ナビタイマーやスーパーオーシャンなど、パイロットやダイバー用のプロフェッショナルウォッチを得意としていたブライトリングが、「アクティブな紳士がオフタイムに着ける腕時計」として1943年に発売したドレッシーなクロノグラフ「プレミエ」。
彼が愛用しているのは、イギリスの名門バイクメーカー「ノートン」とのコラボウォッチとして2019年に発表された「プレミエ」の復刻モデルです。こちらもまた、メゾンの歴史に深く関わるモデルがチョイスされております。
パテックフィリップ
ノーチラス【Ref.5711/1A】
*出典元:https://timeandtidewatches.com/
ここからは、彼がプライベートで愛用している姿が最も多く目撃されているブランド、パテックフィリップをご紹介して参りましょう。
まずは皆様よくご存知の、パテックフィリップ ノーチラス(Ref.5711/1A)。この腕時計は2012年に婚約した元妻、女優のアンジェリーナ・ジョリーから婚約記念として贈られたもの。ダンガリーシャツにノーチラスのブルー文字盤がよく映えております。パパラッチされたプライベート写真なのに映画のワンシーンにしか見えないのは、ハリウッドスターのオーラが為せる業なのでしょうか。
コンプリケーション【Ref.5205R-001】
*出典元:https://rubberb.com/
続いては、パテックフィリップ コンプリケーション(Ref.5205R)。3月1日のみ調整が必要なアニュアルカレンダーとムーンフェイズを備えた本機は、2010年から2022年まで製造が続けられたロングセラーモデルとなりました。
文字盤上部に曜日、日付、月表示の小窓を扇状に配置したデザインは、2006年発表のアニュアルカレンダー クロノグラフ(Ref.5205R-001)を踏襲したもの。時計愛好家の中にはアニュアルカレンダーと言われて、真っ先にこのデザインを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。18KRG(ローズゴールド)、ブラック文字盤、革ベルトを組み合わせたシックな佇まいが、ハンチングのトラッドな雰囲気にマッチしていますね。
グランドコンプリケーション レトログラード【Ref.5016A-010】
*出典元:https://www.phillips.com/
約50社もの時計ブランドが一点モノの腕時計を提供し、その売り上げが筋ジストロフィーの研究費用に充てられるチャリティーオークション「オンリーウォッチ・オークション」。
2015年にパテックフィリップが提供した「Ref.5016A-010」は、トゥールビヨン、ミニッツリピーター、ムーンフェイズ、永久カレンダーという複雑機構を複数備えたグランドコンプリケーションのSS(ステンレススチール)モデル。この時計の入札は非常に白熱し、最終的に7,300,000スイスフラン(日本円で9億円以上)もの高額で落札されましたが、その落札者は、なんとブラッド・ピットだったそうです。
これほどのお宝時計になりますと、ブラッド・ピットですらおいそれと愛用することは難しいようで、ブラッド・ピットが着用している写真は見つかりませんでした。こればかりは「愛用」ではなく、ブラッド・ピットが「所有」している腕時計ということで、どうかご勘弁を。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
長い下積み時代を経て、キャリアにおけるターニングポイントになったと本人も語る『セブン』(1995)への主演で、海外はもちろん日本でも大ブレイクを果たしたブラッド・ピット。推定年収20億円以上と言われ、望めばどんな腕時計でも手に入れられるであろう彼の愛用時計のラインアップからは、金銭的価値だけに留まらない「腕時計の歴史への愛」が感じられます。
*出典元:https://www.slashfilm.com/
近年も、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)で自身初となるアカデミー賞(助演男優賞)を受賞し、『ブレット・トレイン』(2022)では還暦間近にも関わらず、激しいアクションを披露したブラッド・ピット。
『セブン』でのブレイク以降、「不振」「低迷」と呼ばれる時期なく映画界の第一線で活躍を続けている彼のキャリアを腕時計に例えるなら「ハリウッドのヴァシュロンコンスタンタン」。今後も映画史に残る作品で主役を張り続け、観客を満足させてくれることは間違いないでしょう。
ではまた!