映画やテレビなどで俳優が着用した時計にフォーカスする「Actor’s Watch」。
第147弾の今回は、「ジャッキー・チェンの腕時計」をお送りします。
トム・クルーズやブラッド・ピットも「憧れのスター」として名を挙げる、誰もが認める世界No.1のアクションスター、ジャッキー・チェン。デビュー以来、スタントマンやCGに頼らない生身のアクションを追求し続け、時には撮影事故で生死の境を彷徨うことすらあった彼の「アクション魂」を知らない映画ファンはいないでしょう。
＊出典元：https://www.polygon.com/
プライベートではリシャールミルの腕時計を愛用していることで知られるジャッキー・チェン。しかし、調べていくうち、映画の中ではそれ以外にも多彩な腕時計を着用していることが判明。これは是非ともご紹介せねばと思った次第です。
☞#51 『ジャッキー・チェンが愛用するリシャールミル』を読む
という訳で今回は、彼が劇中で着用した腕時計に迫ってまいりたいと思います。
- ◆ サンダーアーム/龍兄虎弟
- ◆ ライジング・ドラゴン 十二生肖
- ◆ スキップ・トレース
- ◆ まとめ
サンダーアーム/龍兄虎弟
ARMOUR OF GOD（1986）
＊出典元：https://www.youtube.com/
「アジアの鷹」の異名を持つトレジャーハンター、ジャッキー（ジャッキー・チェン）は、アフリカの部族が治めていた聖剣を手に入れる。それは、５つ揃えることで強大な力を生み出すといわれる「神の武具」のひとつだった。世界征服の為にその武具を狙っていたカルト教団は、ジャッキーがかつて愛した女性であり、今は親友アラン（アラン・タム）の恋人となったローラ（ロザムンド・クワン）を誘拐。彼女を人質にして、ジャッキーに世界中に散らばる武具を集めるよう命じる。
３つの武具を所有する大富豪、バノン伯爵に「残り２つを見つけ出すこと」を条件に武具を借りたジャッキーとアランは、ローラ救出の為、残りの武具を求めて世界中を駆け巡る。
＊出典元：https://www.reddit.com/
ジャッキー・チェンが世界を股にかけるトレジャーハンターを演じた「アジアの鷹」シリーズ。『サンダーアーム/龍兄虎弟』（1986）は、その記念すべき第一作目となります。ジャッキーが撮影中に15mの高さから落下し、頭蓋骨骨折の大怪我を負って撮影が半年に渡り中断したことでも知られる作品です。
そんな命がけの本作でジャッキーが着用している腕時計は、ルミノックス コンパス（Ref.LU502）。時計と方位磁針の二階建て構造が特徴のアウトドアウォッチです。世界中を飛び回り、お宝をゲットしていくトレジャーハンターらしい、冒険家のスピリットが感じられるチョイスと言えるでしょう。
ライジング・ドラゴン 十二生肖
CHINESE ZODIAC（2012）
＊出典元：https://variety.com/
十二支を象った12体のブロンズ像「十二生肖」。古物商のMP社は、清王朝時代に海外に流出し、現代では世界各国へと散らばってしまったこの秘宝を集めるため、「アジアの鷹」の異名を持つ伝説のトレジャーハンター、JC（ジャッキー・チェン）にその収集を依頼する。
JCは、自分の右腕となるサイモン（クォン・サンウ）、ハッカーのデビッド（リアオ・ファン）、格闘家のボニー（ジャン・ランシン）らとスペシャルチームを結成。「十二生肖」を求め、ヨーロッパ、南太平洋、中国本土など、世界各国を股にかけ、レプリカとすり替えながら本物の像を手に入れていく。
＊出典元：https://www.youtube.com/
『サンダーアーム/龍兄虎弟』（1986）、『プロジェクト・イーグル』（1991年）に続く「アジアの鷹」シリーズ三作目にして、ジャッキーの口から「体を張った本格アクションは今作限り」と、生身での激しいアクション映画からの引退宣言が行なわれた記念碑的作品『ライジング・ドラゴン 十二生肖』（2012年）。『サンダーアーム/龍兄虎弟』の公開時には32歳だったジャッキーも、本作公開時には還暦手前の58歳。本格アクションからの引退は寂しくもありますが、仕方のないことでしょう。
本作で「アジアの鷹」が着用している腕時計は、ウルベルク（Ref.UR-202 AlTiN）。自転する針に記された数字と、針が指す目盛りで時間を読み取る、唯一無二の独創性が光る機構の腕時計です。本機は、腕時計愛好家として知られるジャッキーからの熱烈なオファーを受け、ウルベルクが無償で撮影に貸し出したものだそうです。
スキップ・トレース
SKIPTRACE（2016年)
＊出典元：https://www.allocine.fr/
９年前のある日、香港警察の刑事ベニー（ジャッキー・チェン）は、裏社会を牛耳る男、ヴィクターに相棒のヤンを殺されてしまう。死の間際、ヤンから娘のサマンサ（ファン・ビンビン）と形見の腕時計を託されたベニーは、サマンサを実の娘のように思い育てながら、ヴィクターを追い続けていた。そして大人の女性へと育ったサマンサも、父の仇を討つ為、ヴィクターの仲間、ウィリーが運営するカジノに潜入し、コンパニオンとして働きながら、彼の動向を調べていた。
そんな中、カジノを訪れた詐欺師、コナー（ジョニー・ノックスヴィル）がイカサマで大金をせしめ、行方をくらますという事件が起きる。接客したサマンサもイカサマ仲間の疑いをかけられ、ウィリーからコナーを探すよう命じられる。サマンサから相談を受けたベニーは警察の情報網を使い、コナーの逃亡先がロシアであることを知る。サマンサを救うため、コナーを追ってロシアへと向かうベニーは、異国の地でヤンが殺された真相に近づいていく、、、
＊出典元：http://www.topsector.com.br/
「自分の股間にスタンガンを当ててみる」など、身体を張った過激映像で全米CS放送史上最高視聴率を叩き出した、伝説のおバカ番組『ジャッカス』（2000）。その中心人物だったジョニー・ノックスヴィルとジャッキー・チェンの夢の共演（？）となったサスペンスアクション『スキップ・トレース』（2016）。
本作に登場するのは、ジャッキー演じる刑事の元相棒が遺した腕時計、パネライ ルミノール パワーリザーブ（Ref.PAM00423）。亡き相棒の形見として大切に手入れされていたルミノールですが、劇中では、モンゴルの地でオンボロの中古車を手に入れるための質草に。高級腕時計はこういった「いざという時」にも役立つので、一本は持っておくことをオススメいたします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介した３本は、いずれも稀代のアクションヒーローに相応しい剛健な腕時計。少しくらいの衝撃はものともしなさそうな腕時計が並んだのは、さすが時計好きとして知られるジャッキーらしいチョイスと言えるのではないでしょうか。
＊出典元：https://www.tomatazos.com/
激しいアクションはもちろん、甘いルックスと愛嬌あるコメディ演技で、カンフー映画を男性だけでなく、女性も楽しめるジャンルとして世界に広めたジャッキー・チェン。特に1980年代の日本での人気は凄まじく、映画雑誌『ロードショー』の男性俳優人気ランキングでは、６年間もの長期に渡り、毎月１位の座を守り続けるという偉業を成し遂げておりました。
広瀬すずさん、中川翔子さん、北乃きいさんなど、若い女性の間ですら大勢のファンがいる「永遠のカンフースター」ジャッキー・チェン。肉体は年老いても、作品の中で暴れ回るジャッキーのアクションは、これから先も若々しいまま色褪せる事は無いでしょう。
次の休みには、ジャッキー、サモハン、ユン・ピョウ揃い踏みの『スパルタンX』（1984）でも観ようかな、、、
ではまた！