みなさま、こんばんは!

今週も新連載の《今さら聞けないシリーズ》をお届けしていきたいと思います。この新企画では、高級腕時計にあまり詳しくない方、これから勉強していきたい方へ向けて「今さら聞けないよ!」といった、高級腕時計の基本的な事をわかりやすくお伝えしていきます。

第23回目となる今回は

高級腕時計入門編】:ダイバーズウォッチ

時計愛好家の方々はもちろん、ファッションに興味のある方からも人気の高い『ダイバーズウォッチ』。そんな『ダイバーズウォッチ』は、防水性をはじめとした優れた機能とスポーティなデザインから、オンオフ問わずあらゆるシーンで着用できる魅力があります。

しかし『ダイバーズウォッチ』の定義や、防水時計との違いなど、詳しく知らないという方が多いのも事実。今回は、『ダイバーズウォッチ』の特徴や定義、代表モデルについて解説していきます。是非とも最後までお楽しみください。

『ダイバーズウォッチ』とは

*出典元:ROLEX公式Instagram

『ダイバーズウォッチ』とは、潜水に特化した機能を備えている時計を指します。

防水時計の「3気圧防水」という表示は、水中での静止状態での防水性を表しており、30mまで潜れるという保証をしているわけではなく、実際には汗や洗顔、雨といった水濡れ程度の防水性を担保しています。

対して『ダイバーズウォッチ』は、水中での使用を想定されているため、水圧や耐衝撃性など様々な点で優れた性能を備えています。その基準は、ISO(国際標準化機構)やJIS(日本工業規格)で定められ、両者は細かな違いがありますが、大まかには「最低でも100m以上の潜水に耐え、時間を管理するシステム(逆回転防止ベゼル)を備えた時計」と定義しています。

『ダイバーズウォッチ』の特徴

『ダイバーズウォッチ』の特徴を詳しく見ていきましょう。

1.【防水性】

*出展元:https://www.seikowatches.com/jp-ja/news/20200305-68654250875

『ダイバーズウォッチ』において、最も重要なポイントとなるのが【防水性】です。

ISO(国際標準化機構)やJIS(日本工業規格)では、100m以上の防水性能があれば潜水も問題ないとされていますが、本格的なダイビングを行なうのであれば、300m以上の防水性があったほうが良いとされています。もちろん、『ダイバーズウォッチ』はそういった水圧も考慮されて設定されていますが、より高い防水性のほうが安心と言えるでしょう。

2.【逆回転防止ベゼル】

*出典元:ROLEX公式Instagram

【防水性】の次にポイントとなるのが【逆回転防止ベゼル】です。

ダイバーにとって、酸素ボンベの残量は、命にそのまま直結する重要な要素となります。この酸素ボンベの残量を把握するために使われるのが、逆回転防止ベゼルです。ベゼルを回転させ、酸素残量をチェックするのですが、万が一逆方向に回転してしまうと、当然本来の(正しい)残量をチェックすることはできません。こういったミスを防ぐために、一方向にしか回転しないベゼルを搭載しているのです。

3.【ヘリウムガス・エスケープバルブ】

*出典元:ROLEX公式Instagram

最後にご紹介する機能は、プロユース仕様の『ダイバーズウォッチ』に見られる【ヘリウムガス・エスケープバルブ】です。

【ヘリウムガス・エスケープバルブ】は、水深100mを超える潜水=飽和潜水を行なう際に必要となる機能です。飽和潜水を行なう際は、酸素とヘリウムの混合ガスを高圧環境下で人体に吸収させる必要があります。ヘリウムの分子は非常に小さいため、この作業の際に時計の中に入り込んでしまいます。この状態で浮上してしまうと、ヘリウムが膨張し、時計が破裂してしまう危険性があるのです。このような事態を防ぐために設置されたのが【ヘリウムエスケープバルブ】。その名の通り、時計内部に入ったヘリウムを外に逃がす役割を果たしています。

『ダイバーズウォッチ』の代表モデル

最後に、『ダイバーズウォッチ』の代表モデルをご紹介いたします。

【ロレックス】『サブマリーナー』

1953年に登場した世界初の『ダイバーズウォッチ』、【ロレックス】『サブマリーナー』。

視認性の高い文字盤や逆回転防止ベゼルのデザインなど、現在の『ダイバーズウォッチ』の原型となった重要なモデルでもあります。洗練されたデザインは、現在に至るまでほとんど外観が変わっておらず、登場時からすでに完成されたデザインであったと言えます。

【オメガ】『シーマスター』

1948年に登場した【オメガ】初のプロ仕様『ダイバーズウォッチ』を起源とし、『スピードマスター』と並んで人気を集める『シーマスター』。

人気の『ダイバー300m』や、高機能の『プラネットオーシャン600m』、ビジネスシーンでも活躍するエレガントな『シーマスターアクアテラ』など、そのバリエーションは多岐にわたりラインアップされています。

【オーデマピゲ】『オフショアダイバー』

人気の『ロイヤルオークオフショア』コレクションを代表する『オフショアダイバー』。

ラグジュアリースポーツウォッチとしての高級感と、300m防水を備えた本格的なスペックが魅力のこちらは、ベゼルではなく文字盤外周の回転式インナーリングで潜水時間を計測することができます。【オーデマピゲ】でも高い人気を誇る『ダイバーズウォッチ』ですね。

まとめ

『ダイバーズウォッチ』について解説しましたが、いかがでしたでしょうか。

高い防水性能だけでなく、【逆回転防止ベゼル】をはじめとした潜水に必要な機能を備えた『ダイバーズウォッチ』は、実用的であることはもちろん、優れたデザイン性で、オンオフ問わず着用できる魅力があります。ブランドやモデルによってもデザインは大きく異なるため、ぜひともご自身のお気に入りの1本を探してみてください。

今回も、この記事によって一人でも多くの方が高級腕時計に興味を持っていただければ幸いです!

ではまた!

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