世界三大時計ブランドの一角で、スイスの老舗高級腕時計ブランド【パテックフィリップ】。中でも1930年頃に登場した『ワールドタイム』は、長い歴史を持つコレクションとして広く知られています。デザイン性のみならず、世界各国の主要都市の時刻を一目で把握できる実用性の高い仕様となっていることから、同ブランドの中でも根強い人気を誇るモデルの一つです。

今回はそんな【パテックフィリップ】『ワールドタイム』(「Ref.5110」、「Ref.5130」、「Ref.5230」)を3世代遡り、徹底比較していきます!『ワールドタイム』が欲しいけど、「どのモデルを購入しようか迷っている」、「『ワールドタイム』の歴史を知りたい」という方は、必読な内容となっていますので、是非とも最後までご覧ください。

『ワールドタイム』3世代の紹介

まずは今回比較する3つのモデル、「Ref.5110」、「Ref.5130」、「Ref.5230」をご紹介していきます。

2世代前 Ref.5110
スペック(仕様)
ケース径 37mm ベゼル YG or WG or RG or PT
ダイヤル シルバー or シルバー × ブルー 夜光 なし
素材 YG or WG or RG or PT ブレスレット 革ベルト
防水性 30m 駆動方式 自動巻き
Cal 240HU パワーリザーブ 約48時間

2000年頃~2006年頃まで製造されていた『ワールドタイム』「Ref.5110」。1930年代に誕生した『ワールドタイム』ですが、こちらのモデルから【パテックフィリップ】が特許を取得した”カップリング機構”が搭載され、使い勝手が格段に向上しました。また、PT(プラチナ)仕様のモデルのみインダイヤルに”ブルー”が採用されています。

ダイヤルカラーと素材の組み合わせ
・シルバー × YG(イエローゴールド),WG(ホワイトゴールド),RG(ローズゴールド)
・シルバー/ブルー × PT(プラチナ)
カップリング機構とは
センターダイヤルの周囲にある各国主要都市を描いた二重の回転リングが、10時位置のプッシュボタンとリンクし、ボタンを1回押すだけで瞬時に別都市の時刻に調整することができる機構。

1世代前 Ref.5130
スペック(仕様)
ケース径 39.5mm ベゼル YG or WG or RG or PT
ダイヤル シルバー or シルバー × ブルー or シルバー × グレー or シルバー × ブラウン 夜光 なし
素材 YG or WG or RG or PT ブレスレット 革ベルト or WG or RG
防水性 30m 駆動方式 自動巻き
Cal 240HU パワーリザーブ 約48時間

2006年頃~2016年頃まで製造された『ワールドタイム』「Ref.5130」。現代のニーズに合わせ、ケース径が39.5mmにサイズアップしました。このモデルよりRG(ローズゴールド)、WG(ホワイトゴールド)×ブレスレットの組み合わせが登場し、バリエーションが増えています。

ダイヤルカラーと素材の組み合わせ
・シルバー × YG(イエローゴールド),WG(ホワイトゴールド),RG(ローズゴールド)
・シルバー/ブルー × PT(プラチナ)
・シルバー/グレー × WG(ホワイトゴールド)
・シルバー/ブラウン × RG(ローズゴールド)

現行モデル Ref.5230
スペック(仕様)
ケース径 38.5mm ベゼル WG or RG or PT
ダイヤル ブルー or シルバー × グレー 夜光 なし
素材 WG or RG or PT ブレスレット 革ベルト
防水性 30m 駆動方式 自動巻き
Cal 240HU パワーリザーブ 約48時間

2016年頃に登場した『ワールドタイム』「Ref.5230」。サイズは1mmダウンの38.5mmとなりましたが、ムーブメントは一貫して「Cal.240HU」を採用しています。文字盤の書体も変更となったことで、よりスマートな仕上がりとなっています。

ダイヤルカラーと素材の組み合わせ
・ブルー × PT(プラチナ)
・シルバー/グレー × RG(ローズゴールド),WG(ホワイトゴールド)

「Ref.5110」と「Ref.5130」のスペック比較

まずは「Ref.5110」と「Ref.5130」の比較をしていきましょう。
主なスペックは以下の通りです。

Ref.5110
Ref.5130
37mm ケース径 39.5mm
YG or WG or RG or PT ベゼル YG or WG or RG or PT
シルバー or シルバー × ブルー ダイヤル シルバー or シルバー × ブルー or シルバー × グレー or シルバー × ブラウン
なし 夜光 なし
YG or WG or RG or PT 素材 YG or WG or RG or PT
革ベルト ブレスレット 革ベルト or WG or RG
30m 防水性 30m
自動巻き 駆動方式 自動巻き
Cal.240HU Cal Cal.240HU
約48時間 パワーリザーブ 約48時間

❶【ケース】

ケース径

Ref.5110 37mm
Ref.5130 39.5mm
「Ref.5110」が37mmの比較的小ぶりなケース径であったのに対し、「Ref.5130」では現代のニーズに合わせ、39.5mmへとサイズアップしました。

❷【ダイヤル】

Ref.5110 アルファ針
Ref.5130 時針:アップルハンド,分針:ドルフィン針
「Ref.5110」ではスタンダードなアルファ針でしたが、「Ref.5130」では丸をモチーフとしたアップルハンドの時針と、ドルフィン針の分針を採用しており、見た目の印象が変わりました。

文字盤中心部の仕上げ

Ref.5110 ギョーシェ
Ref.5130 サンビーム
文字盤中心部のデザインが変更され、「Ref.5110」ではギョーシェ仕上げとなっていたのに対し、「Ref.5130」ではサンビーム仕上げへと変更されました。サンビーム仕上げのラインが入ったことにより、時刻のセット(特に分単位)がしやすくなっています。
「Ref.5130」と「Ref.5230」のスペック比較

続いて「Ref.5130」と「Ref.5230」の比較をしていきましょう。
主なスペックは以下の通りです。

Ref.5130
Ref.5230
39.5mm ケース径 38.5mm
YG or WG or RG or PT ベゼル YG or WG or RG or PT
シルバー or シルバー × ブルー or シルバー × グレー or シルバー × ブラウン ダイヤル ブルー or シルバー × グレー
なし 夜光 なし
YG or WG or RG or PT 素材 WG or RG or PT
革ベルト or WG or RG ブレスレット 革ベルト
30m 防水性 30m
自動巻き 駆動方式 自動巻き
Cal.240HU Cal Cal.240HU
約48時間 パワーリザーブ 約48時間

❶【ケース】

ケース径

Ref.5130 39.5mm
Ref.5230 38.5mm
39.5mmへとサイズアップを遂げた「Ref.5130」ですが、「Ref.5230」にて1mmサイズダウンの38.5mmへと変更されました。

リューズガード

Ref.5130 あり
Ref.5230 なし
「Ref.5110」と「Ref.5130」ではリューズガードが備わっていましたが、「Ref.5230」ではリューズガードがなくなり、スマートな印象のデザインになっています。

素材

Ref.5130 YG or WG or RG or PT
Ref.5230 WG or RG or PT
「Ref.5130」ではYG(イエローゴールド)、WG(ホワイトゴールド)、RG(ローズゴールド)、PT(プラチナ)の4つの素材で展開されていましたが、「Ref.5230」ではYG(イエローゴールド)素材のモデルが廃止されました。

❷【ダイヤル】

Ref.5130 時針:アップルハンド,分針:ドルフィン針
Ref.5230 オリジナルデザイン
「Ref.5130」ではアップルハンドの時針とドルフィン針の分針の組み合わせとなっていましたが、「Ref.5230」では「Ref.5110」と「Ref.5130」を組み合わせたようなオリジナルデザインの針へと変更されています。

文字盤中心部の仕上げ

Ref.5130 サンビーム
Ref.5230 ギョーシェ
「Ref.5130」でサンビーム仕上げへと変更されましたが、「Ref.5230」では「Ref.5110」とはまた違ったデザインのギョーシェ仕上げへと変更されています。

書体

Ref.5130 ゴシック体
Ref.5230 明朝体
「Ref.5130」の書体はゴシック体でしたが、「Ref.5230」では明朝体へと変わり、より洗練された印象のデザインへと変更されています。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回、【パテックフィリップ】『ワールドタイム』の3世代を比較してみましたが、年月を経て、どのように進化を遂げてきたのかがお判りいただけたかと思います。

“カップリング機構”の搭載により、使い勝手が格段と向上した「Ref.5110」、文字盤中心部のデザイン変更により視認性が向上した「Ref.5130」、より洗練された印象のデザインへと変貌を遂げた「Ref.5230」と、各々違った魅力がある『ワールドタイム』。

是非とも皆さんのお好きなモデルを探してみてください。